ADA

先月16日(土)から10月1日(日)まで、ADA本社屋と同じ新潟県新潟市西蒲区にある妙光寺で開催されていた天野尚写真展『日本庭園の美』。

 

天野とは長い付き合いだったという、このお寺の住職でもある小川英爾さんからのご提案で、2015年に新潟市・弥彦で開催した写真展『創造の原点』で展示されたきりとなっていた日本庭園を超大判カメラがとらえた迫力かつ繊細な作品の数々が境内のスペースに展示され、最終日である1日(日)、大盛況のなか惜しまれつつもその会期を終えました。

 

700年もの歴史ある妙光寺の静謐な雰囲気のなかで、日本庭園の作品群を鑑賞すること。訪れた多くの方々にはいつもと違う非日常的な、大変貴重な体験となったことと思います。

 

 

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また、この日は特別な催しとして『天野尚も愛した情熱の国・イタリアの風』と題した追悼コンサートがおこなわれました。

かつて天野が世界を飛び回る中でも足を運んだ地・イタリアの音楽をテーマに、本場でも有数の実力を持つソプラノ、テノール歌手とピアノ、ヴィオラという小編成の演奏家が集い、電気を通さない生の楽器の音、そして力強くエモーショナルな歌声が会場一杯に響き渡る圧巻のステージを披露。会場がお寺であることを良い意味で忘れてしまうほどの大盛り上がりで、とても楽しい時間となりました。

 

 

 

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その前半には天野のご息女で次女のさゆりさんが登壇し、小川住職とのトークショーもおこなわれました。

 

内容は、天野尚の人生を綴った作品集『創造の原点』の執筆に関する父とのやり取りや(創造の原点の執筆はさゆりさん)、娘という視点から見た父の姿と芸術家としての天野尚の姿など、ここでしか聞くことのできないとっておきのトークが展開。小川住職の踏み込んだ質問にも落ち着いたトーンで答え、語るさゆりさんの言葉にはこのために満席となったであろう会場全体がすぅーっと引き込まれ、あっという間の1時間。

 

「天気が天野の思った通りになる」など、知られざる逸話がいくつも飛び出し、時間が許すならもう1時間ほど聞いていたかったです。

 

 

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なかでも印象的だったのは「父が人生を通して伝えたかったことが、皆さんの心の中でずっと生き続けてくれたらそれだけで嬉しい」という言葉。

私たちの命が続く限りすべての命が続くように、天野のことをもっと多くの命に届けたい。そういう思いを、改めて感じることができた素晴らしいひと時でした。

 

 

 

(メディア事業部/渡邊)